リーダーの不在。プライドの塊がまとまらず
さらに言えば、この北中米の雄との一戦では、ヨハヒム・レーブ監督の“修正力”が問われることになったが、試合中に指揮官は手腕を発揮することができなかった。カウンターに対処すべく選手たちのポジショニングを修正することはできず、「間違った戦術にしがみついた」。
突き詰めてきたポゼッション・スタイルが「間違った戦術」だったというよりは、「しがみついた」ことが「間違った」選択だったと言えるだろう。この点については同じく29日付の『ケルナー・シュタット・アンツァイガー』電子版も指摘している。ドイツ代表は、徹底的に対策を講じてきたチームに対する「プランB」を持ち合わせていなかった。
次に2、「リーダーの不在」である。『エクスプレス』電子版は「確かにロシアのメンバーでは依然として9人の世界王者が立っていた。だが本物のリーダーは存在しなかった」と記している。『ケルナー・シュタット・アンツァイガー』電子版は、ブラジルW杯優勝メンバーの「バスティアン・シュバインシュタイガー、フィリップ・ラーム、ミロスラフ・クローゼ、ペア・メルテザッカー」の不在を指摘。ロシアW杯を戦うドイツ代表には、特にラームのような、求心力のある選手がいなかったという。
確かにGKマヌエル・ノイアーは主将として腕章を巻いた。しかし長期にわたって負傷離脱していたこともあってか、他の選手たちへの影響力を発揮できなかったようだ。『エクスプレス』電子版は「ノイアーはキャプテンとして存在しなかった」と記している。そしてフィールドプレイヤーの中に、プライドの塊のような「世界王者」たちを一枚岩にまとめ上げることのできる選手はいなかった。