フランスでも話題。日本サポーターによるゴミ拾い
RMCラジオのコメンテーターも「全員で下がってしっかり守ればよかったんだ」と主張していたが、元フランス代表MFジェローム・ロテンは、「やろうと思えばそうできた能力は日本にはあったと思うが、観る者をうんざりさせるそういうプレーはすべきじゃない」と攻めに行った姿勢を評価した。
延長戦での追加点、あるいはその後のPK戦に賭けるもう一つの策ではあるが、ベルギー代表の攻撃力を痛感した上で、リスクを負ってでも得点を狙いにいって延長戦突入を避ける、というのもひとつの賭けだ。その結果こうなったが、これが勝負というものだろう。
ところで、SNSでも話題になっている、スタジアムで日本代表が使用した後のロッカールームを完璧に片付け、さらにはロシア語でサンキューメッセージまで残していたという美談は、ウェストフランス紙等、フランスのメディアでも取り上げられていた。
「ロスタイムでの逆転劇に、精神的には相当ダメージを受けていたはずなのに、なんとも気品にあふれた行動だ」と、この試合での勇姿を裏付ける形で伝えられた。
サポーターのみなさんのスタンドでのゴミ拾いは世界的にもすっかり有名だが、チームからして率先していて片付けを徹底していたとは。まさに「立つ鳥跡を濁さず」の精神である。
しかし、ゴミは残さずとも、「最後まで勇敢に戦った」という印象は残したようだ。
(文:小川由紀子【フランス】)
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