攻撃を活性化する存在は今後も重要に
チームの攻守がうまく回るための働きをベースとしてこなしながら、決定的なプレーに絡んでいく。香川のプレーにおいて、その順序が逆になってしまえば、日本の攻撃は途端に糸の切れた凧のようになっていただろう。
ただ、それでも「日本人はそういうところをうまくバランス取る、チームのためにって言葉が前に出ますけど、やっぱ結局はそういうところで個の力、自分自身を信じて出し切れるかというところは僕自身、もっともっとトライしてかないと」と語る。
今後の日本代表に関しては「正直、今は何とも言えないですね」と語る香川。確かにチームの新陳代謝や世代交代は今後の大きなテーマになり、すでに代表引退を表明した長谷部誠を始め、今回のメンバーの何人かはこの大会が日本代表での最後の勇姿になるかもしれない。それでも攻撃的なポジションにありながら影に日に攻撃リズムを作り、活性化でき、仲間の良いプレーを引き出せる香川の存在はまだまだ重要だ。
むしろ、ようやくそうした役割を日本代表でも果たせるようになってきたと言える。ここから円熟味を増してくる香川の経験が次のチームでも生かされることを期待している。
(取材・文:河治良幸【ロストフ】)
【了】