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日本代表 7年前

香川真司、ついに代表で発揮した真の力とその役割。円熟味を増す今後こそ不可欠な存在に【ロシアW杯】

text by 河治良幸 photo by Getty Images

周囲とイメージを共有。コンビネーションを生かす

日本代表
乾貴士のゴールは香川の空けたスペースをうまく突いたことによって生まれたものだった【写真:Getty Images】

 乾による2得点目をアシストしたシーンは直前に香川が柴崎とのワンツーから大迫にスルーパスを出した流れから見ていくと興味深い。そのパスはアルデルヴァイレルトにカットされたが、ベルギーが縦に入れてきたところをボランチと最終ラインで奪い返し、吉田が左前方の乾に展開した。そこから乾は中に切れ込んで大迫に浮き球のパスを出す。そのボールは3バック中央のコンパニにヘッドで弾き返されたが、そのセカンドボールを香川が拾った。

 この時点でボランチのヴィツェルはドリブルを仕掛けた乾の方に寄せており、デ・ブライネは直線の展開から前方に上がっており、3バックの手前にベルギーの選手がいなかったのだ。そこでボールを拾った香川は慌てて寄せてくるヴィツェルを自分の方に引き寄せ、中央から開きながら左の乾にパス。乾はその香川の動きで空いたスペースとシュートコースをうまく活用して見事なゴールをお膳立てしたのだ。

 周囲と攻撃のイメージを共有し、コンビネーションに生かしていくスタイル。その中には直接ボールに絡むシーンもあれば、ボールに絡んではいないが効果的に味方の時間やスペースを与えているシーンも多く見られた。香川がそうした役割をすることで得点チャンスを作るだけでなく、ベルギーに高い位置で攻撃をスタートさせない助けにもなっていたはずだ。

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