亡き親友の姿がプリントされたTシャツを見せるダニエル・スバシッチ【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップでクロアチア代表の快進撃に大きく貢献しているGKダニエル・スバシッチは、亡き親友への思いを胸に秘めて戦い続けている。記者会見でその話題に触れられると、感情を抑えきれず涙を流す姿を見せた。
グループリーグを3連勝で順調に突破したクロアチアは、現地時間1日に行われた決勝トーナメント1回戦の試合でデンマークと対戦。試合は1-1のままPK戦にもつれ込み、3-2で勝利を収めたクロアチアが20年ぶりの準々決勝進出を果たした。
その最大の立役者となったのが守護神のスバシッチ。PK戦ではクリスティアン・エリクセン、ラッセ・シェーネ、ニコライ・ヨルゲンセンの3本のシュートを見事にストップしてみせた。試合後にはユニフォームを脱ぎ、その下に着込んでいたTシャツを見せていた。
Tシャツにプリントされていたのは、2008年に24歳で死去した元U-21クロアチア代表MFフルボイェ・チュスティッチの写真だった。当時クロアチアのザダルでスバシッチとチームメートだったチュスティッチは、試合中にスバシッチのゴールキックからのボールを追いかけてピッチサイドの壁に頭を強打し、その負傷が原因となって5日後に命を落とした。
現地時間3日に行われたクロアチア代表の会見に出席したスバシッチは、DFドマゴイ・ヴィーダとともにジョークを言い合うなど和やかな雰囲気を見せていた。だがチュスティッチのTシャツについてメディアからの質問を受けると言葉を詰まらせ、顔を抑えて涙を流す場面もあった。
【了】