荒れ試合になってもケインは…
それでもDF陣は奮闘し、イングランド攻撃陣をうまく抑えた。シュートは前半だけで8本浴びたが、0-0のまま後半へ突入することになる。
そして、試合は57分に動く。日本戦でもPKを献上したカルロス・サンチェスがCKの場面でケインを押し倒してしまい、またもやPKを献上。これを背番号9自らが沈めイングランドが先制に成功した。
判定に納得のいかなかったコロンビアのメンバーはここから不用意なファウルを繰り返すようになる。そして、スリーライオンズの選手たちもその流れに乗ってしまい、試合は荒れ模様となってしまった。
事実、コロンビアはこの試合で23回のファウルを犯し6枚のイエローカードを受けている。対するイングランドも13回のファウル、警告を2枚受けている。この状況にコロンビアの主将・ファルカオも激昂する場面がいくつか見られ、完全に南米の雄たちは我に返ることが不可能になっていた。
しかし、イングランドの主将・ケインは違った。決して主審に文句を言わず、小競り合いが始まっても選手たちの間に入ってその場を落ち着かせた。まさにキャプテンとしてお手本のような姿をケインは見せていた。あくまでプレーに集中している、そんな様子が伺えたのである。
そんな背番号9の影響なのか、イングランドは徐々に落ち着きを取り戻した。コロンビアが1点を奪い返そうと前に前に出てくるのに対して、ハリー・マグワイア、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズの3バックは集中した守りをみせ、アディショナルタイムまで無失点を継続した。
だが、セットプレーは別だった。後半アディショナルタイム、ここまでCKから2ゴールを挙げているジェリー・ミナのヘディング弾が炸裂し、1-1のまま勝負は延長戦へともつれ込んだ。
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