立ち上がりはイングランド優勢
1966年以来のワールドカップ制覇がまた一歩近づいた。イングランド代表は、苦しみながらもベスト8入りを果たしたのである。
スリーライオンズは、出場32か国中3番目の若さを誇るメンバーで今大会に臨んでいる。グループリーグG組第1節のチュニジア戦は思うような内容ではなかったものの、何とか勝ち切り、第2節パナマ戦は6-1と圧勝を収めた。続く第3節のベルギー戦は0-1で敗れはしたものの、主力メンバーのほとんどを休ませることができた。若い力は試合をこなすごとにその強度を増しており、万全の状態でベスト16入りを決めた。
そのイングランドと対戦するのが、コロンビアである。グループリーグH組第1節では日本に敗れたが、その後のポーランド戦、セネガル戦と圧倒的な強さで2連勝を飾り、敗退寸前から一気に首位まで上り詰めたのである。コロンビアもまた、非常に良い状態でベスト16入りを果たしたと言える。
そんな両者がベスト8入りを懸けて対戦した決勝トーナメント1回戦。イングランドはハリー・ケインやジェシ―・リンガードを起用するなど、今大会のベストメンバーで臨んできた。対するコロンビアはエースのハメス・ロドリゲスが怪我の影響でベンチ入りさえ叶わず。攻撃面においては多少の不安を抱えながら、キックオフの時を迎えた。
立ち上がりからボールをキープしたのはイングランドだった。ケインを中心にラヒーム・スターリングやリンガードといった面々が前線へ果敢に飛び出し、コロンビアDF陣の最終ラインを深く下げさせた。そのため、コロンビアはビルドアップを開始する位置が低く、なかなかラダメル・ファルカオにボールが収まらない。ハメス・ロドリゲスが不在の中、さっそく攻撃陣が機能不全に陥ってしまったのである。