日本代表を率いる西野朗監督【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦から一夜明けた現地時間3日、ベースキャンプ地のカザンに戻った日本代表はメディア対応を行った。日本代表を率いる西野朗監督が取材に答えている。
まず、ベスト16という結果については「そうですね。目標にしていたところではあります。最低限の目標には挙げていました。ただ、やはり昨日のゲームを勝ち上がりたかった。そのためにグループステージを戦ってきましたし、チームとすれば良いコンディションで臨めていました。実際にパフォーマンス的にもかなり戦えるゲームができたと思います。さらにゲームの中で良い状況、勝てる状況があったわけなので。最終的に勝ち上がれなかったことが残念ではあります」と、悔しさをにじませている。
昨日の会見では「まだ足りないものがある」と話していたが、足りないと感じたものに関して「2-0から後半のああいう時間になって返される(24分、29分、49分に失点)ということは、ベンチワーク。私の動きも影響すると思います。そういう意味で(ベンチワークは)足りない部分の大きな1つではないかと思います」と答えた。
引いて守る選択肢もあったと思うが「やはりグループステージ3つ目の試合(ポーランド戦)の取り返しというか。そういう気持ちも胸にあったので3点目を取りにいく。そういう姿勢の中で張り合っていましたし、メンバーも代えなかったのは非常に良いリズムで、守るシフトにする必要もない状態でしたから。実際に3点目を取るチャンスもあった」と理由を明かしている。
続けて「果敢に3点目を、という積極性を持って戦わせましたが、ベルギーが2失点したということで“本気モード”になりました。戦前、本気のベルギーがそこにないと面白くないよ。っと。そのためには自分たちが100%以上の力を相手にぶつければ、本気のベルギーが表れてくると。乾の2点目で“超”が付くぐらいの本気モードになったと思います。あそこは果敢にいった時間帯でした」と、ベルギーを本気モードにしたとの見解を示した。
さらに「本当のW杯というのはトップの世界なので、スタンダードが(ベルギーが本気モードになった)あの30分だと思うし、あの30分で日本チームがこれからどう戦っていけるかということ。ベルギーは最後、我々に対してむき出しになってかかってきた。ああいう中でどう対等に戦えるかが必要なこと。その中でやはり戦い切れなかった。それを体感したことが財産というか、それがW杯だと思います」と、敗れた中で収穫もあったことを明かしている。
そして「(02年、10年に続き)8年周期でベスト16を戦って、8年後は待たなくて良い状態の中でベスト8にいけるのではないかと思います。そういう3度目のチャレンジができたと思っています。これまでの2回の経験プラス、今回で8年周期が変わるのではないか。そう思うゲームができたと思いたいです」と語り、次のW杯ではベスト8以上の結果が残せるとの期待感を示した。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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