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ハメス以上のトップ下、キンテーロ。日本が救われたボランチへの変更。イングランドの脅威に【西部の目/ロシア W杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

南米の10番

 日本にとって幸運だったのは、消耗したキンテーロに代わって登場したハメスがいまひとつフィットしていなかったことだ。ハメスとキンテーロが揃うとどうなるかは、ポーランド戦が示している。それぞれ素晴らしいラストパスで得点を生み出し、3-0でポーランドを一蹴した。この試合でグループH最強はコロンビアだったことが判明した。

 イングランドとの対戦はほとんど異種格闘技戦だ。パワーではイングランドが勝り、テクニックではコロンビアに分がある。隙間をついてくるコロンビアの攻撃、とくにキンテーロを潰せるかどうかはイングランドの課題だろう。逆にコロンビアは大きな展開のイングランドを止めることができるかどうか。

 キンテーロはユース時代から将来のスーパースターと期待されながら、ヨーロッパではあまり活躍ができなかった。母国のメデリンへ戻ってフォームを取り戻し、17/18シーズンはアルゼンチンのリーベル・プレートでパフォーマンスを上げた。

 南米のスターには、その実力をヨーロッパで発揮できないタイプもいる。コロンビアの先輩であるカルロス・バルデラマ、ウルグアイのエンゾ・フランチェスコリもそうだった。簡単にいえば水が合わないのだろう。その点でキンテーロも非常に南米的な選手であり、同じ感覚を持った仲間たちの中でこそ輝くのではないか。

(文:西部謙司)

【了】

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