ベルギー代表のマルアン・フェライニ【写真:Getty Images】
【ベルギー 3-2 日本 ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦】
ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦の試合が現地時間2日に行われ、ベルギー代表と日本代表が対戦。3-2の勝利を収めたベルギーが準々決勝進出を決めた。
原口元気、乾貴士のゴールで2点を先取しながらも敗れた日本。65分にロベルト・マルティネス監督がマルアン・フェライニ、ナセル・シャドリの2枚を投入したと同時に、流れは一気にレッド・デビルズに傾いた。その勢いに圧倒され、西野ジャパンは大逆転負けを喫してしまったのである。
特にフェライニは何度も日本の脅威となった。身長194cm体重85kgの体格を誇る同選手は、本来の主戦場であるボランチではなく2シャドーの一角として途中出場。マルティネス監督がパワープレーに転じさせたのは明確だった。
もちろん日本もクロスに対する細心の注意は払った。しかし、ロメル・ルカクもいるという状況で、空中戦をすべて制することは簡単なことではなかった。そして74分、背番号8はエデン・アザールのクロスを頭で押し込み、貴重な同点ゴールを挙げたのである。フェライニが放ったシュートはこの1本だけ。まさに指揮官の狙い通りであった。
同じく途中出場を果たしたシャドリも後半アディショナルタイムに劇的な勝ち越しゴールを決めている。ここでもマルティネス監督の采配がピタリと当たったのである。フェライニとシャドリは身長の高さだけではなく、両チームにとってその存在が“デカかった”のだ。
他にもベルギーにはトルガン・アザールやミチ・バチュアイ、ユーリ・ティーレマンスなど流れを変えることができる選手は何人も揃っていた。
対する日本は、本田圭佑、山口蛍をピッチに送り込んだが、大して相手の脅威とはならなかった。交代カードの豊富さと有効さはベルギーが何枚も上回った。こういった部分でも、世界との差が見て取れる。
中島翔哉や久保裕也などがいれば、また違った色を出せたかもしれない。もしくは都倉賢などのパワープレーに長けた選手がいれば、日本もシンプルにボールを放り込んでチャンスを多く作れたかもしれない。改めて西野朗監督の「人選」の賛否が問われるところだ。
【了】