西野朗監督【写真:Getty Images】
【日本 2-3 ベルギー ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦】
日本代表は現地時間2日、ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦でベルギー代表と対戦し、2-3で逆転負けを喫した。
試合後の会見に出席した西野朗監督は、「善戦するだけではなく、勝ち切らなければならない」と悔しさを口にした。「ある程度、今のチーム力であればベルギーにはかなり抵抗できる」と、世界トップクラスの相手に対しても十分に戦える自信を持っていた。
リードを奪う、もしくは先行されるなど、様々なプランを立て選手たちに伝えた。それでも「最後、こういう形になるゲームの組み立ては考えていなかった」と、2点リードから終了間際に逆転弾を浴びる展開は描いていなかったと明かした。敗戦を告げるホイッスルを聞いた瞬間、指揮官はベルギーの“本当の”強さを感じたと言う。
「2-0になってメンバーもそのままで、3点目という気持ちが非常に強かった。チャンスもあった。ある程度、ボールもゲームもコントロールする時間があった。ただ本気になってしまったベルギー。ミーティングでも本気のベルギーと戦いたい、と。そのためには自分たちがフルパワーでそういうベルギー引き出さないといけない。最後の30分はその本気のベルギーに対抗できなかった。勝ち切るプランはあったが、あそこまで覆されるとは思っていなかった。(これが)ワールドカップなのかなと思いました。ベルギーの強さを(感じた)という気持ちでした、終わった瞬間は」
逆転ゴールを決められるほんの少し前、日本は立て続けにFKとCKを得た。だが、そこからカウンターを浴び、勝負を決められた。「ああいうスーパーカウンターは予測できなかった。選手もああいう流れで数秒後に自陣ゴール前に運ばれるのは予測していなかったと思う。紙一重の勝負所だと思う」と振り返った。「延長も考えていた」とも話す西野監督だが、本気のベルギーの前に全てのプランが崩れ去った。
2点のリードを奪った後、チームは3点目を奪いに行った。西野監督もそのつもりだった。しかし、この敗戦を受けて自身の采配を「問いたい」と口にした。
「2-0というアドバンテージをもらっていながら、ひっくり返された。選手の非ではなくベンチワーク。ゴールを決められた瞬間は、自分の采配を問うところ」
西野監督の言葉からはベルギーと渡り合えた手応えと、世界との差を痛感している様子がうかがえた。「(差は)わずかではないのかもしれないが、ゲームの中ではわずかだと感じた。選手は100%以上を出してくれた。されど、そのわずかというところは、これからサッカー界でまた埋め直さないといけないという気持ちでおります」と、日本サッカー全体で取り組んでいくべきだという姿勢を示した。
(取材:植田路生、文・構成:編集部)
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