ロシアワールドカップの得点王争いに異変が起きている【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップも半分以上の試合が終わり、ベスト8進出チームも決まりつつある。そんな中で多くの強豪国が早期敗退に追い込まれ、得点王レースにも異変が起きている。
決勝トーナメント1回戦でポルトガル、アルゼンチン、スペイン、デンマークの敗退が決まり、多くのスター選手が大会を去った。
例えばポルトガルのFWクリスティアーノ・ロナウドは4ゴールを挙げて得点ランキングで2位タイにつけていたが、今後そのゴール数を伸ばすことはできない。スペインのFWジエゴ・コスタも3ゴールを挙げていたが、同様にこれ以上ゴールネットを揺らすのは不可能になった。
アルゼンチンのFWリオネル・メッシは、わずか1ゴールでロシアでの戦いを終えた。他にも前回大会5ゴールのドイツ代表FWトーマス・ミュラーは1ゴールも奪えないままグループリーグで大会を去ることとなり、エジプト代表のFWモハメド・サラーなど躍進が予想されたスターたちも多くがすでに敗退している。
ワールドカップで目立つ活躍を披露すれば、最近10年にわたってメッシとC・ロナウドが独占してきたバドンドール獲得レースにも異変が出てくるかもしれない。
例えば現時点で5ゴールをマークして得点ランキング首位に立つイングランド代表FWハリー・ケインや、グループリーグ2試合で4ゴールを荒稼ぎしたベルギー代表FWロメル・ルカク、19歳ながら爆発的なスピードですでに3ゴールを挙げているフランス代表FWキリアン・エムバペなどに、ワールドカップ得点王獲得のチャンスが広がっている。
FIFAランキングが出場国中最低ながらベスト8進出を果たしているロシア代表では、FWアルテム・ジューバとMFデニス・チェリシェフが3ゴールずつを記録。ウルグアイ代表ではFWルイス・スアレスの陰に隠れがちだったFWエディンソン・カバーニも抜群の得点力で3ゴールを挙げている。
エムバペやケインらのような新世代のスーパースター候補たちが栄光のワールドカップ得点王に輝くのか、あるいはロシアの躍進を牽引するジューバやチェリシェフなど誰もが予想しなかった伏兵が台頭するのか。まだエンジン全開とはいかないブラジル代表FWネイマールなどが追い上げるか。
メッシやC・ロナウドの早期敗退によって混沌とし始めた、フットボール界の世代交代を象徴するワールドカップの得点王レースに注目だ。
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