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日本代表 6年前

【岩政大樹×16強の壁】今こそ日本サッカーの未来を拓く時。世界と戦う「バランス感覚」を磨く一戦【ロシアW杯】

text by 編集部 photo by Getty Images

ベルギー戦で注目すべき点は…

 また、ポーランド戦ではこれまでの2試合に比べてボールの失い方が悪くなっていました。大迫選手や香川選手のいない中央でボールを奪われるシーンが多くなり、必然的にカウンターを受けやすくなってしまっていました。

 特に攻撃時にはセントラルMFの1人が最終ラインに下がって3バックのようになり、中盤の中央はもう1人のセントラルMFが担当、さらにサイドバックが高い位置をとる形は、コロンビア戦とセネガル戦では機能していました。

 ただ、これはボールを中央で奪われないからうまくいっていた側面もあります。後ろに4人しか残っていない状態でボールを中央で失ってしまうと、両サイドバックが上がった背後のスペースが大きく空いてしまい、相手に大きなスペースを与えた状態でカウンターを受けることになります。

 ポーランド戦でもそこからピンチを作られましたが、チームとしてのバランスはベルギー戦に向けてしっかり詰めておくべきでしょう。ベルギーは前線により強力なアタッカーを揃えており、カウンターの速さ、精度は脅威です。

 ベルギーの基本システムは3-4-3ですから、ルカクを前線に残しておいて、シャドーのE・アザールやドリースメルテンスが日本のサイドバックをケアしていると見せかけて、ボールを奪った瞬間に裏に走ってきます。ルカクに一度当ててカウンター気味にゴール前に入ってくる形は当然狙ってくるはずです。

 日本としては試合の中でどれくらい中央にボールが収まるか、コンビネーションが機能するのか見極めながら、チームや個人の調子なども踏まえつつ状況に応じてリスクを慎重に管理していくべきでしょう。ベルギーのスペースがある時のプレー精度は、現時点ではやはり日本よりも高いので、これまで以上にバランスの見極めが重要になります。

「バランスの見極め」とは、先ほども述べたように両サイドバックの高さが1つのバロメータになります。酒井宏樹選手や長友(佑都)選手は攻撃にも特徴があり、彼らが高い位置をとれば、1列前の原口(元気)選手や乾(貴士)選手が中に入ってきて、ゴール前に人数をかけることができます。一方で、前がかりになった時にその裏を突かれるリスクは高まります。日本が攻守のバランスをどこに見い出すかは非常に重要なポイントです。

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