マルセロの穴を埋める
グループリーグ最後のセルビア戦、ブラジルは最も重要な選手を開始10分で失っている。マルセロが背中に痙攣を起こしてフィリペ・ルイスとの交代を余儀なくされた。
ブラジルで最も重要な選手はネイマールではなくマルセロである。スローダウンしたときのブラジルの攻め手は主に左サイドで、ネイマール、コウチーニョ、マルセロのトライアングル。その中で攻撃の起点となり、攻守のバランスを決め、ネイマールとコウチーニョの立ち位置を決めているのがマルセロだからだ。
ところが、代わったフィリペ・ルイスはマルセロがいないことをほとんど感じさせなかった。毎度のこととはいえブラジルは選手層が厚い。控え組でチームを作って参加しても、決勝まで行くかもしれない。
フィリペ・ルイスが入った時間帯はセルビアが主導権を握りかけていた。体格で勝るセルビアは球際で勝ち、圧力を強めていた。マルセロに代わって登場した左SBは、しばらくチームメートとともに様子見に入る。後方でキープしながら、セルビアの出方を探った。10分ほど経過すると、フィリペ・ルイスはハーフスペースにポジションをとる。ここから再びブラジルが主導権を握ることになった。
【次ページ】2種類のトライアングル