4年前との違い
日本がワールドカップで2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たした。グループリーグ最終節のポーランド戦の終わらせ方は賛否両論あるみたいだけど、それでもう1試合できるんだから言うことないね。4年前と違って、今回の日本は結果にこだわる戦いをやっている。
『どうなるかわからないけど、やってみよう』というのが前回大会だった。実際に期待も大きかったわけだけど、打ちのめされた。自分たちのやりたいことは、まだまだできないんだと痛感させられた。一方で今回は結果を持って来なければいけないという戦い方をしている。考えたらそれが普通ではある。今回は不安に包まれた大会前から、これで行くしかない、となって。そして、勝つことによって世の中を巻き込んでいっている。今、日本サッカー界として見たらベストの結果になっているよね。
ただ、我々は“本当のところ”を見なきゃいけない。世界のどこに位置しているかというのをちゃんと見極めないといけない。その国がどうやってお金をかけて、どうやって教育をして、選手の評価を長年にわたって継続しているか。
ドイツについて少し話したい。今回、彼らがなぜグループリーグで敗退したか。僕は去年、コンフェデレーションズカップでドイツを見ている。あの時の若いメンバーに主力を3人加えるだけで、今回のグループリーグは通過できた。そのくらい今大会のドイツは悪かった。4年前とは見た目で違うんだよね。空いたスペースにどんどん人が流動的に入ってきて、ボールが動いて、相手からスペースを奪っていくようなサッカーが全くなかった。コンディションが悪かったのか、のらりくらりとやっていた印象だ。それこそ、ブラジルワールドカップの日本みたいだったよ。