開始早々に理想の展開へ持ち込んだスペイン
イアゴ・アスパスがPKを止められた瞬間、ピッチに立つイレブン達は肩を落とした。
現地時間1日に行われたロシアワールドカップ・決勝トーナメント1回戦でロシアと対戦したスペインはPK戦の末、ベスト16で敗退という形になった。2大会ぶりの優勝を期待されていただけに、この段階で大会を去ることは非常に残念である。
この日、スペインは先発メンバーにコケ、マルコ・アセンシオといった選手を起用。これまで攻撃陣をけん引し続けたアンドレス・イニエスタやチアゴ・アルカンタラといった面々はベンチから戦況を見つめることとなった。
試合開始からボールを支配したのは予想通りスペインだった。後ろに構えているロシアに対し、ゆっくりとパスを回すことで相手の隙が生まれる機会を狙っていた。が、グループリーグB組のイラン戦同様、パスを回すだけで決定的な場面を多く作れない。今大会のスペインの課題でもある部分が、前半開始早々から見受けられたような印象だ。
だが思わぬ形で先制に成功する。前半12分、FKからセルゲイ・イグナシェビッチのオウンゴールを誘発したのである。
1-0の状態を保つことはスペインにとってそう難しいことではない。残りの時間、ボールを自分たちでキープしてしまえば自ずと勝利は転がってくる。まさに理想の展開をスペインは作ることができた。
追いつきたいロシアの戦い方も実に、明確だった。最前線に位置するアルテム・ジューバにロングフィードを当て、その瞬間に全員が一気に前へ駆け上がり、セカンドボールを回収してからゴールへと迫っていく。これはグループリーグ3試合でも徹底して行ってきた、ロシア最大の強みである。これが封じられてしまうと、開催国は非常に難しい展開を強いられることになる。