デンマークの守護神キャスパー・シュマイケル【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦が現地時間1日に行われ、デンマークはクロアチアにPK戦の末に敗れた。
試合開始わずか4分でスコアを動かした両者。しかし、その後は得点が生まれず1-1のまま90分を終えた。さらに延長戦でも決着がつかず、試合はPK戦に突入した。PK戦でも両チームの守護神であるシュマイケルとスバシッチが大活躍。結局2-3でデンマークは敗れたが、最後まで見ごたえのある戦いを披露した。
グループリーグではC組に入ったデンマークは、初戦のペルー戦を1-0で白星スタートを切ると、続くオーストラリア戦は1-1で勝ち点1を獲得。最終節のフランス戦をスコアレスで終え、2位でグループを通過した。
そしてクロアチア戦。1-1で迎えた延長戦も佳境を迎えた115分、デンマークは相手にPKを与え最大のピンチに直面したが、モドリッチのキックをシュマイケルが完璧な読みと反応でストップして見せた。この場面はもちろん、PK戦でもシュマイケルがセーブするたび、父のピーター氏も喜びを爆発させた。最後は敗れてしまったが、父にとって息子キャスパーは誇りだろう。
ベスト16で大会を去ることになったが、彼らは90分、もしくは120分の戦いでは16年10月にワールドカップ欧州予選でモンテネグロに敗れてから負けがない。PK戦までもつれた試合は公式記録上では引き分け扱いのため、クロアチア戦も“ドロー”。つまり、デンマークは“無敗記録”を19試合に伸ばして大会を去ることになるのだ。
もちろん、ベスト8に進出したクロアチアは大会屈指の好チーム。今回の息詰まる攻防が今後の戦いの糧となれば、98年フランス大会の3位を超えることも可能だろう。
デンマークは最後まで希望を失わずに戦い続けた。かつてはラウドルップ兄弟らを擁し、“ダニッシュ・ダイナマイト”と称された。まさに爆発的な攻撃力で世界にその名を轟かせたが、現在は、今大会で見せたとおり堅実に粘り強く、そしてワンチャンスを仕留めるチームとなった。
実力を世界に示した北欧の雄は、準々決勝進出へあと一歩のところで涙を呑んだ。しかし、運にも左右されるPK合戦を除けば約1年9ヶ月、無敗。それは紛れもない事実である。
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