西野朗監督【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦・ベルギー代表戦に向け、日本代表の西野朗監督が前日会見に臨んだ。
負ければ終わりの一発勝負となる決勝トーナメント。延長戦でも決着がつかなければPK戦を行うことになる。事前にキッカーの順番を決めて練習するなど、PK戦の想定をするチームもあるが、西野朗監督は持論を述べる。
「これまで自分がチームを預かってきた中で、何度か勝敗を決しなければいけない、タイトルを取れるか取れないか(という状況でのPK戦)はあった。ですが、チームとしてPKのトレーニングをして入ったゲームはない。個人的にやっている選手はいたが、チームとしてはありません。あの精神状態をトレーニングで作るのは不可能なので」
さらに指揮官は「キッカーが優位なのは間違いない」とし、「緊張感のなか、ボールをセットできるかできないか」と、その場で腹を括ってボールをゴールに蹴りこむことが重要だと話した。「あまり意味のないトレーニングだと思っている。現状、1度もピッチでトレーニングしていない」と“西野流”を明かした。「明日はそこに至る前に決着をつけたい」。90分、もしくは延長を含めた120分で勝負を決める意思を示した。
ベルギー戦に向けては「世界のトップ3のチームにどう臨むか。我々61位ですから」とFIFAランキングを比較しつつもこう語る。
「ただ、ラウンド16のゲーム。あらゆる策を駆使して(戦う)。その力を今持っていないかもしれないが、別の力を作り出していかなければ戦えない相手。紙一重の戦いでもあると思う。我々にも勝機がピッチのどこかで落ちていると思う」
タレント揃いのベルギーを相手に西野ジャパンはどのような戦いを見せるか。指揮官の言うように、ピッチのどこかにあるであろう勝機をいち早く見つけだし、試合を優位に進めたいところだ。
(取材:植田路生、文・構成:編集部)
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