本田にとっての理想のシナリオとは
こうした中、本田圭佑は次も「スーパージョーカー」としてベンチに控えることになりそうだ。ポーランド戦でも1点のビハインドを負った終盤に投入される見込みだったが、コロンビア対セネガル戦のスコアが動いたことで、西野監督が交代カードを長谷部誠に変更したことから出番なしのまま終了。3度目のワールドカップで初めてピッチに立たずに試合を終える経験をした。もしかすると、そのまま今大会が終わってしまう可能性があった。
が、最悪のシナリオは回避されたことに本人も安堵感を覚えたはず。次こそはピッチに立ち、8強の扉をこじ開ける大仕事をやり遂げるべく、そのチャンスを虎視眈々と狙っていくはずだ。
「ベルギーは近年、とにかく力をつけている印象ですよね。本当、今では強豪国と言われるようなブランドを築いた。戦力的には分が悪いと思うので、プラスアルファは必ず要求されるし、そこに果敢に思い切って、楽しみながらプレーしたいなと思っています」と背番号4は過去2回のワールドカップでは持つことができなかった「遊び心」を持って、歴史的決戦に挑む覚悟だ。
本田に出番が巡ってくるとすれば、ビハインドを背負っている劣勢の状況か、拮抗した状態で均衡を破る1点がほしい時。そのためにも、日本が前半から守備を崩されるような展開はあってはならない。相手には今大会4ゴールのロメル・ルカク、2ゴールのエデン・アザールを筆頭にイングランド・プレミアリーグで大活躍しているスターがズラリと並ぶだけに、まずはチーム全体が粘り強く組織的な守備をしていく必要がある。
中盤にも遠目からのキャノン砲を持つケビン・デ・ブルイネもいるから、単にFW陣だけを徹底マークしていても足りない。加えて、190㎝近い高さを誇るヤン・フェルトンゲンら長身DFたちがリスタートから得点を狙ってくる。こうした多彩な攻めをしっかり封じて、後半の本田投入という流れになれば、本人にとっては理想的なシナリオだ。