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スペイン、“逆カテナチオ”に必要なもの。ティキ・タカの異物、ジエゴ・コスタが鍵となる理由【西部の目/ロシアW杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

スペインにハイプレスなどやるだけ無駄

 今大会では深く撤退して守備をするチームが多い。前線からのハイプレスがあまり有効でなくなり、行っても外されてカウンターを食らうリスクが増大している。そのため、あまりハイプレスをしなくなっている。ミドルゾーンから守備をするか、もっと引いてしまうチームも多い。

 スペインの対戦国は引きこもる。ハイプレスなどやるだけ無駄だからだ。ミドルプレスさえほとんど無意味なので、深く引いてコンパクトに守る。イランはリードされるまで5-5-0の超守備的戦法だった。ここまで極端でなくてもスペイン相手には引くしか選択肢がないのだ。

 たとえ引かれても、スペインは狭いスペースをパスワークで破ろうとする。また、90分間のうち何回かは崩して決定機を作る力もある。とはいえ、引かれてしまえばスペインといえども簡単に点はとれない。相手のカウンターアタックに対しては、その芽の段階で摘み取ってしまう守備ができているが、それも失敗すれば決定機まで持っていかれるリスクのある守り方になっている。

【次ページ】同質性の中の異物
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