のぞき見の代償とそれ以上に深刻な関係者からのリーク
日本は恵まれている。我々報道陣は取材しやすく、ファンはより多くの情報を楽しめる。このような取材スタイルは報道陣と代表チーム=日本サッカー協会側とすり合わせて作っていくもの。だが、これ以上情報が漏れるようなら、協会側が取材規制を強くしても不思議ではない。
それでも非公開情報を「伝えるべき」と思うのであれば、やればいい。非公開とはいえ食い下がり何とか情報を得ようとするのはある種のジャーナリズムとも言える。スポーツ以外ではこのようなインサイダー情報が不正を指摘する際に有効な場合もある。報道陣はPR機関ではない。やるべきだと思うならやればいい。
ただし、そのツケはいずれ返ってくる。壁が今より高くなるか、あるいは冒頭15分の公開すらなくなるか、選手取材が少なくなるか……。その天秤だろう。なので、私は日本代表取材においてはやらないが、その姿勢を完全否定はしない。
より深刻な問題なのは2つ目のパターン。関係者が情報を漏らしている場合だ。ポーランド戦の漏えいが関係者なのかのぞき見なのかははっきりしない。だが、日本代表の試合前は必ずと言っていいほどスタメン情報は漏れており、そのうちいくつかは関係者からの漏えいだ。
例えば、「関係者によれば●●は主力組でプレーしたという。明日は先発だ」などという書き方になっている。振り返れば、西野ジャパンは最初から情報がダダ漏れだった。メンバー選考に関しての海外組への招集レター、突然の3バック情報などどんなサッカーをするのかわかるくらいに漏れていた。
記事に関係者とあれば当たり前だが関係者からのリーク(そうでないなら記事の誤りだ)。関係者と書いてない場合も関係者からのリークのパターンもあるのではないか。時折「●●だということがわかった」とだけ書いてあって、ソースが不明確の場合がある。のぞき見か関係者リークか二択だからだ。
率直に言って、チーム情報をベラベラと話す「関係者」はクソ野郎である。ただただ仲間の足を引っ張るクソ野郎である。