ベルギー戦で見せて欲しい「本当の姿
バスケットボールでは、終盤、追いつきたい側のチームが意図的にファウルをしかけて逆転の可能性を追求する、いわゆる『ファウルゲーム』は常套手段で、勝つための戦術とされている。しかし「フェアな戦い方じゃない」と嫌悪感を持つ人もやっぱりいる。
今回の時間稼ぎも結果を求めてやったことで、ルール違反でもない。ただ、GKが時間稼ぎをするとイエローカードが出ることがあるのだから、今回のような露骨な時間稼ぎ戦法もそのうちイエローの対象になって、『ジャパンファウル』などと命名されたりして…。
でもラッキーだった。最後の最後にセネガルが同点打でも決めていたら散々だった。
攻めて勝つことを大前提とするこの競技において、守りに入ると勝利の女神がその瞬間にフッと去ってしまい、状況がマイナスに転じる、という皮肉な展開は日頃のリーグ戦でもよく目にする。
だから嫌な予感もしたのだが、相手のポーランドもしかけてこなかったからか、それか西野監督が言っていたように、「今までのアグレッシブな戦い方に運がついてくれた」のか。
攻め続けてカウンターをくらって2点目を献上していたら、それはそれで批判の声は上がっていただろうし、決勝ラウンド進出は喜ばしい結果に変わりはない。
選手たち自身も、「本当の俺たちは、こんなんじゃないんだぞ」と思っているはず。その気持ちが表れたプレーを、ベルギー戦で見せてくれることを祈って。
(文:小川由紀子【フランス】)
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