「フットボールの名誉を汚したラスト10分間」
パリジャン紙も、『まるでパロディーのような試合』と描写し、ル・フィガロ紙は、この試合の”TOP”にポーランドのグロシツキとベドナレクを挙げ、”FLOP”(駄作)には、「試合を通してリスクを冒して仕掛けようという姿勢のまったくなかった日本代表」と、「フットボールの名誉を汚したラスト10分間」を挙げていた。
実際あのような場面で、より守備に比重をかけるためにフォワードを下げて守備的選手を投入し、唯一のアドバンテージだったイエローカードの枚数を絶対に増やさない戦い方をすることは、理にかなった戦略だ。同じ立場になったら同じ戦法をとる監督は多いだろう。
デンマーク戦でのフランスだって、100%MAX出し切っていたわけでは決してない。怪我をしないように、カードをもらわないように、という計算の中でプレーしていた。
それでそこそこ批判を浴びたわけだが、ポーランド戦での日本のラスト10分は、輪をかけて明白に時間つぶしをしているようにしか見えず、それがあまりにも露骨だったからこれほど悪評を買ってしまった、というのもある。
個人的には、現状維持を選択したことではなく、ボールを決して前には蹴らない、あそこまであからさまなボール回しでなければその戦法を遂行できなかったのだろうか、という点が気になった。集中してボールをキープしながら、じりじりとでも前に上がっていくような動きがあるかと思ったのだが。
であれば「慎重に終わろうとしている」という印象にとどまったと思うが、「プレー放棄」とみなされるほどだったのは、衝撃的ではあった。
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