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代表 6年前

“別の何か”と戦っていた日本代表。ポーランドの執念なき勝利。最低限の意地で終えた大舞台【ロシアW杯】

text by 本田千尋 photo by Getty Images

最後の試合で得た勝ち点3の意味

ヤン・ベドナレク
ポーランドはヤン・ベドナレクのゴールだけで十分だった【写真:Getty Images】

 だから、59分にセットプレーからベドナレクの一撃で1点を取ってしまえば、それで十分だったのだ。この調子で行けば、攻撃の機能していない日本代表から点を取られる心配はない。日本代表のように、他会場で行われているコロンビア対セネガル戦の試合経過を気にする必要もない。

 85分頃にはポーランド代表の足は止まり始め、ひたすら日本代表が後方で回すボールの行方を見守った。コロンビアがセネガルに対して1-0で勝っていたため、このままのスコアで行けば、日本は決勝トーナメントに進出する。

 試合終盤に日本が攻めに出てこず、パスを回し続けたことに関しては、他国のメディアなどから、非難の声もあるようだ。しかしポーランド代表にとっては、それによって勝利を確保できるのだから、かえって好都合である。その行為を責めるべくもない。

 試合開始前の大胆なローテーションや試合終盤の消極的なパス交換など、日本代表は、ポーランド代表ではない別の何かと戦っていたようでもある。それもあってようやくポーランド代表は、大会最後の試合で勝ち点3を手に入れることができたのだ。

 素直には喜べないかもしれない。しかし最低限の意地は見せた。手ぶらで帰ることもない。形はどうあれ勝ち点3を手に入れて、ポーランド代表のロシアW杯は、終わりを迎えた。
 
(文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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