チュニジア戦、イングランド戦に見るベルギーの弱点
強さ、高さ、速さ、技術、全てにおいて高い次元にあるベルギーだが、グループリーグの戦いを見ると、若干ながら弱点も存在する。
日本が狙うべきはウイングバックの裏となるスペース。チュニジア戦の2失点目となる後半アデョショナルタイムのシーンでは、ベン・ユセフとハムディ・ナゲスのコンビネーションでカラスコの裏を突き、カズリの得点へとつなげた。
さらにイングランド戦でも14分に左WBのトルガン・アザールの裏をアレキサンダー=アーノルドに突かれ、61分にもトルガン・アザールがプレスを仕掛けに出た裏をロフタス=チークに突かれ、66分にはマーカス・ラッシュフォードに右WBシャドリと右CBデンドンケルのギャップを突かれてピンチを迎えた。
前述のようにベルギーのウングバックは攻撃への意識が高いため、背後のスペースが無防備になりがち。もちろん、カラスコを筆頭に攻撃力が高いため日本のSBがオーバーラップする余裕がなくなるかもしれないが、隙を見てここをつくことができれば、ベルギーの組織を崩す突破口となるだろう。右の原口と酒井宏樹のコンビネーションが鍵になる。
日本が前からプレスを仕掛けてもベルギーにかわされてしまう可能性はある。それでもズルズルとラインを下げてしまえば中盤にスペースを与えてペースを握られてしまう。90分間コンパクトに保ち、高い強度と集中力で耐えて、相手が焦って前がかりになったところで裏を突く、という我慢が重要な一戦となるだろう。
(文:海老沢純一)
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