本田の活躍もいい刺激に
自身のバックアップとしてベンチに陣取っている本田圭佑が2試合続けて得点に絡むスーパージョーカーの役目を果たしていることも、香川のいい刺激になっているはず。
「圭佑君と自分はプレースタイルが違う」と本人も口癖のように言っているが、結果的にゴールを追い求めている点は一緒。そこに関してはやはり本田の方が一枚上手。ワールドカップ3大会連続4得点という圧倒的な数字は香川もリスペクトせざるを得ないだろう。
ただ、そこに1つでも近づき、日本を成功へと導くことが背番号10をつける男の責務でもある。そういう意味でも、ポーランド戦では勝負を決める得点がほしいところだ。
「個人的には、この前の試合で課題として感じた『最後のところでどれだけ仕掛けていけるか』が大事。そういう意味でもリスクを冒すことは必要になってくる」と機を見て前へ出ていくことをイメージしながら戦っていくつもりだ。ここで1点を奪えれば、1大会2ゴールという2002年日韓大会の稲本潤一、2010年南アフリカ大会の本田が残した数字に並ぶことになる。
「点の取れる新たな10番像を作りたい」と2011年アジアカップ前に発言してから足掛け8年。そろそろ香川は自分のオリジナリティを確立すべき時期に来ている。それがロシアでの日本の成否を左右する大一番で果たせるのなら、最高のシナリオだ。かつての盟友・レバンドフスキに大きく成長した姿を見せるべく、今回は香川真司がヒーローになる番である。
(取材・文:元川悦子【ボルゴグラード】)
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