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代表 6年前

韓国、国民の想い込めた「闘魂」。酔いしれたい1勝…ドイツ蹴落とし番狂わせの主人公に【ロシアW杯】

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

ポゼッションで下回るも劇的な勝利

チョ・ヒョヌ
韓国のGKチョ・ヒョヌは好プレー連発で勝利の立役者に【写真:Getty Images】

 韓国はプラン通りに試合を進めた。4-4-2とはいえ、ほぼ5人のDFが最終ラインに並び、MFもプレスをかけるより自分たちのポジションで、相手にスペースを与えないという意識を持ってプレーしていた。後半途中までボールポゼッションが3:7と、韓国の方が圧倒的に下回った。

 それだけに後半アディショナルタイムに生まれた2ゴールは超劇的だった。大会直前までファンや評論家から批判されていた元Jリーガーのキム・ヨングォンが先制ゴールを決めた。この日、彼は攻守に大健闘を見せていた。ティモ・ヴェルナーなどドイツの攻撃陣を完封していた。

 そして、後半アディショナルタイムにはゴール前の絶妙なポジショニングで先制ゴールを突き刺した。オフサイドの旗が上がっていたが、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)の末ゴールと判明。韓国に歓喜が溢れた。

 その4分後にはドイツでプロキャリアをスタートしたソン・フンミンが魅せた。96分、マヌエル・ノイアーが中盤まで上がってきていたところを韓国のチュ・セジョンがボールを奪い、前線で待っていたソン・フンミンにロングパス。このパスを無人のゴールに冷静に決め、トドメを刺したのだ。

 この得点は、特筆すべき劇的なシーンだった。「できるならワールドカップでドイツと対戦し、ゴールを決めたい」と常に闘志を燃やしていたソン・フンミンの願いがかなったのだ。またこのゴールで韓国人としては初めてワールドカップ2戦連続ゴールという記録も作った。エースの品格を遺憾なく発揮した。

 またこの日、称えるべき選手がもう1人いる。Kリーグ屈指のGKチョ・ヒョヌだ。彼はKリーグでプレーする選手としては史上初のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)を受賞した。MOMに値するプレーの連発だった。レオン・ゴレツカの強烈なヘディングシュートを俊敏なジャンプで止めていなければ韓国は負けていたかもしれない。韓国がボールポゼッションで負けながらも勝てたのは彼が終始、安定感を発揮してくれたおかげだったと言っても言い過ぎではない。

 選手だけでなく、チームとしての韓国も称賛すべきだ。韓国は自分たちが目標としていたサッカーを貫いていた。最初からドイツが攻めてくることはわかっていた。だから守備に安定感をもたらし、相手の体力が落ちる後半に勝負をかけるという戦略だった。その作戦が見事にハマったのはこの試合から生まれた最大の収穫かもしれない。

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