美しき韓国の勝利。いいじゃないですか、結果に酔いしれても
歴史的な勝利、この一言に尽きる一戦だった。
韓国は27日(日本時間)、ロシア・カザンで行われたロシアワールドカップのグループF最終戦、ドイツとの試合で2-0の完勝を収めた。
韓国にも、ドイツにも絶対に勝利が必要な中での試合だった。グループFのどのチームにも決勝トーナメント進出の可能性が残っていた状況。韓国は2敗を喫していたものの、もしメキシコがスウェーデンに勝ち、韓国がドイツに2ゴール差以上で勝てば奇跡の決勝トーナメント行きも可能だった。まだワールドカップが終わったわけではなかったのだ。
しかし、それでも勝利は厳しいという見解が多かった。相手はドイツ。今大会で1勝1敗と低迷しているとはいえ、FIFAランキング1位の強豪ということは変わらない。しかも韓国は怪我人続出という災いもあった。パク・チュホは肉離れで大会期間中の復帰が不可能であり、中盤の要であるキ・ソンヨンもメキシコ戦でふくらはぎを怪我し、松葉杖をついていた。
その上、前日の記者会見でシン・テヨン監督の発言も問題となった。彼は「ドイツというのはあまりにも分厚い壁だ。この壁を超えられそうな気がしない」と、自信なさげ言葉を残した。元韓国代表のサイドバックで、『KBS』で解説を務めるイ・ヨンピョ氏は「監督の発言とは思えない。プロフェッショナルな発言ではない」と鋭く批判した。どの面をとっても厳しい状況であるのは間違いなかった。
発言とは違い、シン監督は勝ちにこだわったフォーメーションを採用した。メキシコ戦と変わらない4-4-2の布陣を繰り出したのだ。
しかし細かいところでの違いが見えた。今大会で主にセンターバックで出場し、余計なペナルティキックを与えるなど低調だったチャン・ヒョンスがキ・ソンヨンに代わり、ボランチに入る。そしてセンターバックにはシン監督の愛弟子で、Kリーグ2(2部相当)でプレーするユン・ヨンソンが入った。今大会が初のワールドカップで、この試合がデビュー戦になるが、Kリーグでは実績のある選手だ。そして前線にはエース、ソン・フンミン。守備をしっかりとした上でカウンターを狙うという意図が見えた。