ソチで羽根を伸ばしていた選手たち
日本のキャンプ地はカザン。大きな街ではあるが、内陸であり海はなく、バカンスとは縁遠い。宿泊地も高級ホテルではなく、あくまで試合に集中できるようサッカーに対して必要なものが揃っている場所だ。街には浮ついた空気感はなく、選手たちへの誘惑も少ない。
コロンビアも日本と同じカザンだが、市内から車で約1時間かかる郊外だ。冬にはスキーリゾートとして使われる施設を使っている。ここには車でしか行くことができず、街からはかなり離れている。隔離された状態で、サッカーに集中するのはもってこいである。遊ぼうにも遊べないのである。
セネガルも辺鄙な場所にキャンプ地をおいていた。モスクワから電車で約3時間かかるカルーガという街のさらに郊外だ。市内からは車で30分以上かかる。カルーガはワールドカップ開催地ではなく、サッカーの雰囲気すらない。いわゆる「大人の夜遊び」ができるナイトクラブはほぼ潰れており、街には寂れたストリップ店があるのみ。やはりここも遊べない。
さて、翻ってポーランドはどうだろうか。街のいたるところにバーがあり、ナイトクラブも山ほどある。コロンビアにポーランドが敗れた翌日の25日、数件のナイトクラブを回って聞き取り取材をしたが、「彼らは頻繁に顔を出していた」という。その日はそれらしき人物は見当たらなかったが、滞在中は羽根を伸ばしていたようだ。
現地時間28日、日本代表はベスト16進出をかけてポーランド代表と戦う。ポーランドには何の望みもない。エースFWロベルト・レバンドフスキは「すべて終わった」と嘆き、ポーランドメディアに聞いても「意味がない。消化試合だ」と無念さを吐露する。
ポーランドの平均年齢は28.3歳。日本と同じである。若手を試して次のEUROあるいはワールドカップに向けようにも、その若手がいない。23歳のカルロ・リネッテ、24歳のビオトル・ジエリンスキはもともとレギュラー格の選手だ。
目標をなくしモチベーションもないポーランド。だが、油断は禁物だ。プレッシャーがない状態のチームが伸び伸びプレーすることは大いにある。そしてまた、ポーランドはもともとの実力ではこのグループの本命であることを忘れてならない。
(取材・文:植田路生【ソチ】)
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