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代表 6年前

メッシが“依存”から“中心”へ変わった理由。地獄の淵から蘇ったアルゼンチンの変化と課題【ロシアW杯】

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

メッシの存在が“依存”から“中心”へ

リオネル・メッシ
最終戦ではメッシの存在が依存から中心へ変わった【写真:Getty Images】

 これまでは中盤の2人は明確な役割が決まっていなかったのかもしれない。しかし今回はアンカーのマスチェラーノがフィルター役となり、ペレスとバネガが高い位置からプレスを仕掛けてバネガがチャンスメイクを狙うという役割を担っていたことが試合を通して見て取れた。

 特に初先発となったバネガの存在が大きかった。これまで中盤からの有効なパスが皆無だったが、バネガは90本のパスのうち5本のロングパスを通すなど長短のパスでリズムを作った。

 そして、14分にはハーフウェーライン付近から前線のメッシへパスを通して先制点をアシスト。何よりメッシの今大会初ゴールというチームにとって重要な1点を演出した。

 中盤の組織力が上がれば全体の距離感が縮まり、互いをサポートしあう状況が生まれる。これまでは個人プレーのみだったアルゼンチンだが、この試合では攻守においてコンビネーションで対応する場面が見られた。

 これによって、メッシの存在が“依存”から“中心”へ変わった。これまでは単発だったパスやドリブルもチームの攻撃の一部として機能する場面もあった。ナイジェリアが仕掛ける中盤のプレスもパスワークとドリブルによってかわしていた。

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