まぐれではない強さを見せた西野ジャパン
日本代表は現地時間28日、ロシアワールドカップ第3戦でポーランド代表と戦う。勝つか引き分けなら文句なしでベスト16への進出が決定。敗れても、裏で行われているコロンビア対セネガルの結果次第で、勝ち抜ける可能性がある。
下馬評を覆し、日本はコロンビアに勝利し、セネガルに引き分け。1勝1分け、勝ち点4という好成績でグループリーグ最終戦を迎えた。ただし、これがまぐれでないことは試合でのパフォーマンスが示している。
コロンビア戦。前半3分という早い時間帯で相手に退場者が出た。これを幸運とも言うこともできるが、そもそも退場に追い込んだ素早い攻撃は評価されるべきだ。香川真司は相手DFの状況を見てワンタッチで大迫勇也にロングボールを蹴り、大迫はDFと入れ替わりシュートまで持っていっていた。GKが弾いたボールを詰めていたのは最初のパスを出した香川だった。短い時間ではあるが、このような攻撃の連続性はこれまで見られなかったものだ。
その後も1人少ないながらも粘りに粘ってチャンスを作るコロンビアに対し、ポジションを微調整しながら対応。状況に合わせた修正力・対応力は実に見事であった。
セネガル戦はさらに進化したものが見られた。常に相手にリードを許す、楽ではない展開だったが、そのなかでもフォーメーションをフレキシブルに変え、食らいついた。先制されてから、長谷部誠はポジションを下げて3バックのようになり、それに連動して柴崎岳と香川もポジションを変更した。
これによってセネガルの中盤は混乱。プレッシングが機能しなくなり、日本がボールを持てる時間帯が増えたのである。チーム一体となった流動的なポジション変更は極めて戦術レベルの高いものであり、日本サッカーにおいてエポックメイキングとなる試合と言って過言ではない。
そしてまたこれは、自分たちが得意なパスワークを活かすための修正であった。相手の状況を考えずに、無鉄砲に「自分たちのサッカー」を貫いていた、かつての悪癖からの脱却も見られたのである。