決勝Tでは迫力ある試合を
データサイト『Whoscored』による試合後のスタッツを見てみると、フランスが支配率68%を記録したのに対し、デンマークは32%。シュート数は前者11本、後者5本という結果だった。
しかしシュートを放った平均エリアを見てみると、フランスは計11本のシュートのうち、その半分以上がペナルティエリア外からのもの。残りの32%はペナルティエリア内のシュートとなっている。一方のデンマークも計5本のうち、80%がペナルティエリア外からのシュートになっていた。
このデータからも分かるように、非常にミドルシュートの多い試合であった。そのため、フランスの枠内シュートは11本中わずか3本、デンマークは5本のうち2本という記録が出ている。これでは点が入るわけもなく、迫力不足に陥ってしまうのは必須であろう。まさに魔の90分間であった。
この試合を楽しみに、夜遅くまで起きて観戦していた方は何を思っただろうか。睡眠薬のような試合だと感じたか、引き締まった良いゲームと感じたか。サッカー観は人それぞれのためそこに答えはないが、我々が期待していた通りの試合にならなかったということは、共通して言えることではないか。
次からは負けたら終わりの決勝トーナメント。フランスはいきなりアルゼンチンとの対決となっており、デンマークはここまで全勝と絶好調のクロアチアと対戦することとなった。
両者には、この試合を忘れさせるような迫力ある試合を演じてほしいと、願うばかりである。
(文:小澤祐作)
【了】