「パニクった」川島には手厳しい指摘
逆に評価が低かったのは川島だ。この試合を放送した『BBC』の解説者である元イングランド代表で、現在は女子イングランド代表監督も務めるフィル・ネビルが「酷いゴールキーピングだ。とても酷いゴールキーピングだ。キャッチしないとダメだ」と言えば、同じく解説を務めるディディエ・ドログバも「絶対にキャッチしなくてはいけない」と同調した。
さらに、ハーフタイムには前回のコロンビア戦の失点シーン、さらには2010年南アフリカ大会の対オランダ戦の失点場面も紹介するなど、手厳しかった。
『BBCラジオ5』のサッカー討論番組に登場した、元イングランド代表のロバート・グリーンは失点した場面では「川島はパニックしたようだ」と説明し、次のように解説する。
「クロスとショットの中間の球が入ってきて、しかもサディオ・マネが目の前で少し動いたせいで、パニクってしまったようだ。そしてパンチングをしたが、どこにパンチングをしようとしているのかは分からない。ひざのあたりでパンチをしたが、ピンチに陥らないためには空中へ、そして外へ大きく出さなければならないが、あの位置ではほぼ不可能だ。パニックして、キャッチするよりもパンチングをしてしまったのだと思う。同じGKとして残念ながら、完璧に川島のミスだった」
西野朗監督の信頼は厚いだけに、次戦でも川島の先発が予想される。グループリーグ突破のかかる次戦のポーランド戦は、失敗は絶対に許されない状況なだけに汚名返上のパフォーマンスを期待したい。そして、大方の予想を覆してここまで大健闘の日本代表には、さらに躍動してもらいたいところだ。
(文:松澤浩三【イングランド】)
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