「半端ない」はフランスで…
また、対戦チームの同ポジションの選手のパフォーマンスを比較するサイトでも、この試合での川島とカディム・エンディアイエのマッチアップでは、レキップの採点同様、川島に軍配が上げられている。1点目ではミスがあったが、39分にエムバイェ・ニアンの一撃を止めるなどその後尾を引かずに立て直した点や、試合を通してのポジショニングの良さなどが評価されてのものだ。
しかしながら、「この試合のルーザー(敗者)」に両GKを挙げた『フランス・フットボール』」誌を筆頭に(ちなみにウィナーはセネガルのユスフ・サバリ)、「勝ったほうが次ラウンド勝ち抜け」という、決定的な勝負がかかったこの重要な一戦を左右したのは両GKだったとするメディアも多々見られた。
GKは、ミスが即失点につながる恐ろしいポジションだ。
自分のミスの影響が、己だけではなく、チームの仲間や国民にまで及んでしまうのだから、それこそ“半端ない”精神力が必要だと思う。ピアノの発表会で弾き間違えただけで、深く、深〜く落ち込む筆者には到底無理である。
「半端ない」といえば、昨今、空前の日本ブームであるフランスでも、どこかから聞こえてくるかしらんと思って期待しているが、いまのところ耳にしていない(ジャポンカルチャー好きとサッカーファンがかぶっていないからかも?)。
一方、このセネガル戦を実況したアナウンサーは、何度も「オオサカ! 失礼、オオサコが…」と大迫の名前を「大阪」と言い間違えていた。大阪に楽しい思い出でもあったのだろうか…。
ともあれ、両軍ともに決勝ラウンド勝ち抜けがお預けとなったことで、グループH最終戦への注目は一段と高まりそうだ。
(文:小川由紀子【フランス】)
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