意地を見せたモロッコとスペイン【写真:Getty Images】
【スペイン 2-2 モロッコ ロシアワールドカップ・グループリーグB組第3節】
現地時間25日に行われたロシアワールドカップ・グループリーグB組第3節でスペインはモロッコと対戦し、2-2で引き分けた。
第2節までに勝ち点4を獲得し、同勝ち点のポルトガルを上回って首位のスペインは、引き分け以上でグループリーグ突破が決まる状況。対戦相手のモロッコはすでに敗退が決まっている状況で、スペインが優位に試合を運ぶことが予想された。
だが、20年ぶりのワールドカップとなるモロッコは、この舞台で爪痕を残そうと意欲十分。14分には先制点を奪う。スペインはハーフウェーライン付近でイニエスタがセルヒオ・ラモスにパスを送ると、セルヒオ・ラモスの反応が遅れた。これを見逃さなかったブダイブがボールをかすめとって敵陣を独走。GKとの1対1を制した。
それでもスペインは慌ていない。19分、ペナルティエリア左の深い位置をとったイニエスタがマイナスに折り返してイスコがゴール。すぐに1-1とした。
決勝トーナメント1回戦でウルグアイではなくロシアと対戦するために首位での突破が理想的なスペインだが、モロッコはここまで結果につながっていないものの高い能力があることは間違いない。
55分、モロッコはノルディン・アムラバトが強烈なシュートを放つと、GKデ・ヘアは一歩も動けなかったが、クロスバーとポストの角に嫌われてゴールならず。
スペインは63分にピケのヘディングシュートが枠をとらえるが、あと一歩のところでDFにクリアされて逆転弾を奪えない。
試合を動かしたのはモロッコ。82分、右からのCKをファジルが蹴ると、エン=ネシリがセルヒオ・ラモスに競り勝つ。完璧なヘディングシュートがゴールネットに突き刺さった。
スペインにとって幸運だったのは他会場の動きだ。ポルトガルがイラン相手に1-0でリードしているため、このままいけば2位通過となる。仮にイランが追いついても勝ち点と得失点差で並ばれても総得点で優位に立っており、まだ突破の条件は満たしていた。
それでもグループリーグで負けるわけにはいかないスペインが必死に攻める。すると後半アディショナルタイム、右からのクロスにイアゴ・アスパスが合わせてゴール。オフサイドとジャッジされかけたがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で得点が認められ、2-2となった。
さらに、この1点は大きな価値を持った。他会場ではイランが後半アディショナルタイムにポルトガルに追いついて1-1となる。スペインとポルトガルは前節終了時点で勝ち点、得失点差、総得点でも並んでいたため、モロッコ戦で2ゴールのスペインはグループ首位となった。
首位でB組を突破したスペインは、7月1日にロシアと対戦する。
【得点者】
14分 0-1 ブタイブ(モロッコ)
19分 1-1 イスコ(スペイン)
82分 1-2 エン=ネシリ(モロッコ)
90+1分 2-2 イアゴ・アスパス(スペイン)
【了】