圧巻のパフォーマンスを見せた本田圭佑
南アでの失点時間は後半8分。岡田武史監督は中村俊輔や玉田圭司らベテランを投入して巻き返しを図ったが、修正できないまま黒星を喫した。しかし、今回のセネガル戦の日本はその後の試合運びがまるで違った。前半こそ守勢に回る苦境を長く強いられたものの、確実にリズムを取り戻していったからだ。
そのけん引役が、オランダ戦に出ていた南ア経験者5人衆だったのは、特筆すべき点だ。とりわけ、長友の仕事ぶりは大きかった。徐々にサールの特徴をつかんで突破を封じ始め、前半34分には同点弾をアシストする。
柴崎岳のロングフィードを引き出した長友はペナルティエリア左隅で絶妙のボールをトラップ。次の瞬間、乾貴士と入れ替わり、その乾が右足シュートを蹴り込み、待望の同点弾をお膳立てしたのだ。
「あのトラップはちょっと大きすぎたけど、体幹で思い切りねじ伏せた。今までのトレーニングの積み重ねが出てくれたと思う」と背番号5は会心の笑みを浮かべたが、彼の無尽蔵な走りは31歳とは到底思えなかった。
1-1で後半に突入すると、致命的ミスを犯した川島が安定したセービングを取り戻し、長谷部誠もエムバイェ・ニアンの肘が顔面に当たって鼻から大量出血する事態になったが、凄まじい闘志を前面に押し出して奮闘。両ベテランの頑張りがチームに勇気を与えた。
さらに圧巻だったのは、後半27分に登場した本田と30分に出てきた岡崎慎司のパフォーマンス。特に本田は前回同様、出て来るや否やのCKから大迫勇也の決定機をお膳立てし、試合の流れに乗った。
そして後半33分、乾の折り返しに岡崎がつぶれてゴール前が手薄になる中、本田がどフリーでシュート。見事に枠を捉えたのだ。コロンビア戦に続いてベテランコンビがスーパーサブとして結果を残したのだから、西野采配は文句のつけようがない。