パスワーク対カウンターという構図
【日本 2-2 セネガル ロシアワールドカップ・グループリーグH組第2節】
セネガルは4-3-3で日本とマッチアップを噛み合わせてきた。立ち上がりこそハイプレスを仕掛けてきたが、10分を経過するとミドルゾーンで構えるように。ミドルゾーンのプレスからのハーフカウンターという点では似た狙いの両チームだが、セネガルはスピードを生かして直接的に裏を突こうと虎視眈々。対する日本はショートパスをつなぎながら大迫勇也や香川真司をゾーンの隙間に侵入させての崩しを狙う。
セネガルは日本の素早い囲い込み守備を警戒して、カウンター以外はもっぱらロングパスをトップのニアンに打ち込んで「何か」が起こるのを期待する。ここで昌子源が互角に渡り合えたのは大きい。入れ替わられることもあったが、全体的にはニアンに圧倒されることはなく持ちこたえた。アバウトなロングパスからでもチャンスを作れるのがセネガルの強みなので、昌子の奮闘は接戦にするためのカギだったといえる。
セネガルがロングパス中心になったので、日本の囲い込みによるボール奪取という長所は発揮しにくくなった。そのかわり、相手が引いたので日本はボールを持てる。ボールを保持してチャンスを作るか、それとも引っかけられて必殺のカウンターを食らうか。試合の行方がどちらに転ぶかは日本次第という流れになった。
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