西野朗監督【写真:Getty Images】
【日本 2-2 セネガル ロシアワールドカップ・グループリーグH組第2節】
日本代表は現地時間24日、ロシアワールドカップ・グループリーグH組第2節でセネガル代表と対戦し、2-2で引き分けた。
試合後の記者会見に出席した西野朗監督は「非常にタフなゲームは想定していた」とし、「事実そういう内容、結果になってしまった」と振り返った。「勝ちきりたかった」と西野監督が言うように、勝ち点3を取れる可能性もあった。それは選手たちの対応力や修正力が光っていたからだ。そして、それらの力は就任以降、西野監督が求めてきたものだった。
「先制された中で、その後のゲーム展開は落ち着いて入れた。ある程度、組み立てや構成といった自分たちが狙いとするところが出せた。それで追いつくことができた」
戦前からセネガルのパワーやスピードには十分に警戒していた。それでも圧倒されるシーンが試合序盤にあった。「開始10分くらいは、あの長友(佑都)でさえも捕まえられなかった」と西野監督。日本代表屈指のフィジカルを備える左SBですら後手に回っていた。とはいえ、90分間圧倒されて終わったわけではなかった。
「その後は修正できて、やられるんだけど粘って体を寄せるとか、完全にフィジカルを出させなかった。体をくっつけて自由にさせない。慣れてきて対応できた」
さらに、西野監督は「ある程度、セネガルの個のフィジカルの対応も『こうすれば抑えられる』というのを覚えたと思う」と、試合の中でイレブンが迅速にアジャストしていった点に言及した。日本が劣勢に立たされる場面はあったが、盛り返すこともできた。終盤になっても走り負けず、ボールを主体的に動かすこともできた。だからこそ、「勝ちきりたかった」と指揮官は言うのだ。
2度のビハインドを背負いながらも勝ち点1を上乗せした日本。選手たちの対応力、修正力はセネガルにも通用した。「勝ちきりたかった」と西野監督は言った。それは、イレブンがアフリカの雄に互角以上に渡り合ったからこそだった。
(取材:植田路生、文・構成:編集部)
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