実感した世界との壁。決勝Tへの可能性は奇跡に近いが…
一言で言えば韓国サッカーが世界の壁とぶつかった試合だった。メキシコは初戦であのドイツを鷲掴みにしたチーム。それがラッキーではなく、実力であったことを韓国は体感させられた。韓国民放「SBS」の特別解説として試合を中継したパク・チソンは「世界とのレベルの差が明らかになった試合」と指摘したが、まさにその通りだった。戦略や選手個人のレベル、そして韓国が世界に唯一勝ると思っていたメンタルでさえも劣っていた。
韓国としても言い訳はある。主力、ベストイレブンとして遜色のない選手を大会直前に5人以上怪我で失っていたのは不運なことだった。たらればの話だが、彼らがいたら勝敗に影響があったのかもしれない。
だが彼らがいたとしてもこの世界とのレベルが覆されるわけではなく、その上個々のレベルが一気にアップされるわけでもない。より根本的な、具体的なプランがないとワールドカップでは戦えないことを実感させられた1戦だった。
だが今大会がまだ終わったわけではない。直後のドイツとスウェーデンの試合でドイツがトニ・クロースの劇的な決勝ゴールで2-1と勝利。韓国にも決勝トーナメント進出の可能性が残った。韓国が最終戦でドイツを相手に2点差以上の大勝を収め、メキシコもスウエーデンに2点差以上で勝つと、韓国に決勝トーナメントの扉が開かれる。
もちろん奇跡に近い。相手は世界1位のドイツ。しかし可能性がなくはない。ここで諦めてしまうと可能性すらもなくしてしまう。魅せなければならない最後の一戦を果たして韓国はどのように挑むのだろうか。
(文:キム・ドンヒョン【韓国】)
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