スイス代表のジェルダン・シャキリ(左)とグラニト・ジャカ(右)【写真:Getty Images】
【セルビア 1-2 スイス ロシアワールドカップ・グループリーグE組第2節】
スイス代表選手のゴールパフォーマンスが政治的メッセージを込めたものであるとして問題視された一件について、セルビアサッカー協会は国際サッカー連盟(FIFA)に訴える構えを見せている。23日付英紙『ザ・サン』が伝えた。
スイスとセルビアは現地時間22日に行われたロシアワールドカップ・グループリーグE組第2節の試合で対戦。2-1でスイスが勝利を収めたが、ゴールを記録したMFグラニト・ジャカとMFジェルダン・シャキリのパフォーマンスが物議を醸した。
2人が得点後に見せたポーズは、広げた両手を胸の前で組み合わせるもの。両者がルーツを持つアルバニアの国旗に描かれた「双頭の鷲」が表されている。2人の故郷であるコソボの独立を巡ってのセルビアとアルバニアの対立を再燃させる行為だとして批判も集まっている。
両選手はゴールパフォーマンスについて、自分たちのルーツへの思いを表すものであることは認めつつ、セルビアへの敵意は否定。シャキリは「単に興奮しただけだ。それ以上のことは何もない」、ジャカは「応援してくれた人々のため、両親がルーツを持つ故郷の人々のためだ。正直に言って相手への関心はなかった」とコメントしている。
しかし、セルビア側は2人の行為への処分を求めようとしている。「FIFAに書面を送る。両方のゴールの場面で問題となるようなジェスチャーが見られた」とセルビアサッカー協会事務局長のヨバン・スルバトビッチ氏は試合後に語った。
FIFAは選手が政治的メッセージを発信することを固く禁じており、違反した選手には2試合の出場停止処分および5000スイスフラン(約56万円)以上の罰金処分を規定している。ジャカとシャキリに処分が下されることになれば、スイス代表にとって大きな打撃となることは避けられない。
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