西野朗監督【写真:Getty Images】
日本代表は現地時間23日、エカテリンブルクにおいてロシアワールドカップ第2戦・セネガル戦に向けての前日練習を行った。
練習には全員が参加。プレー不可能な選手はいないようだ。ストレッチ、2人1組でのパス練習などをこなしていた。時折笑顔も見られ、概ねリラックスしているようだ。
注目は先発メンバーだ。西野朗監督は以前より「コロンビア戦がベースになる」と言っていたが、この日も「スタートは一緒と考えている」と明言した。
果たしてこれを額面通り受け取って良いものか。西野監督の発言は当然セネガル側も入手している。先発メンバーを敵側に想定させておいて、あえて裏をかいてくるのではないか。
西野監督は本音と嘘を織り交ぜる。「5バック気味にならないように」と3バックのコンセプトを語ったにもかかわらず、蓋を開けてみると、3バックは5バックになってもいいので守り抜くためのオプションであることが発覚した。
そう考えると、セネガル戦で何かを仕掛けてきても不思議ではない。「2戦目で決める。勝負を懸ける」とも言っていたが、それも怪しい。勝ち点3を目指しつつも、相手に勝ち点を与えない守備的な選択肢をとる可能性も十分にある。
ここで温めておいた3バックを突如ぶつけることもなくはない。セネガルのFW陣に対抗するために守備を厚くし、サイドでの攻防で優位に立つ。不用意な失点を防ぎ、スキあらばゴールを狙いにいく戦術を採用することは大いにある。
西野監督の発言からは、あらかじめ用意されていたセリフを話しているようにさえ感じた。いつも以上に滑らかだった口調は何を意味するのだろうか。
発言通りなのか、裏をかくのか、あるいは裏の裏なのか――。試合になるまではわからないが、指揮官が心理戦を仕掛けているのは間違いない。運命のセネガル戦は現地時間24日20時キックオフ。
(取材・文:植田路生【エカテリンブルク】)
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