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日本代表 6年前

“スーパーサブ”本田圭佑がやるべき仕事。対アフリカ勢への強さと日本代表で唯一持つ老獪さ【ロシアW杯】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

単なるビッグマウスではない実力

 セネガルの最終ラインを統率するカリドゥ・クリバリやサリフ・サネという195㎝超の大型センターバック陣にもそういうミスを犯さないとも限らない。本田には相手の小さな綻びをかぎ分け、フィニッシュに持ち込む勝負強さが備わっている。その老獪さは控えに回っている今も現在だろう。

「もちろんボールを供給する側との兼ね合いもある。僕が供給する側なのか、供給される側なのかでもちろん変わってはきるんですけど、そういう動き出しをする選手にはそういうふうにしっかりと見てあげたいし、出す選手には俺をチャンと見とけってことを言いたいと思ってますけど」と言うように、味方と呼吸を合わせていくことも肝要だ。

 南アのカメルーン戦で言えば、松井大輔が右サイドで切り返した瞬間、本田は相手守備陣のエアポケットになったところに侵入し、1回しかない決定機を仕留めている。ブラジルのコートジボワール戦の先制弾も、左の敵陣深い位置から長友佑都がドリブルで中に持ち込んでタテに出したところに素早く反応。相手DFを一瞬でかわしてワールドクラスの左足弾をネットに突き刺している。

 この2つの得点のポジショニングの鋭さ、シュートの精度は日本人屈指のものがある。「自分は世界で勝つためにオランダ、ロシア、イタリア、メキシコで戦ってきた」と自負するのも、単なるビッグマウスではないのだ。

「コロンビア戦はPKを取る前の意識がよかった。それを意識的にそれ以上にして挑んでいくことがまず大事」と本田はたとえセネガル相手でもアグレッシブさを忘れてはいけないと強調する。

 それをピッチに立った面々がしっかりと出せるように、自らはベンチでできる限りのサポートをして、そのうえで自分が出場した時にはゴールという結果で輝く。そんな理想的なシナリオが背番号4にはよく似合う。

(取材・文:元川悦子【カザン】)

【了】

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