後半は別のチームとなったナイジェリア
だが後半開始早々のオゲネカロ・エテボのシュートを皮切りに、ナイジェリアの反撃が幕を開けた。
49分、相手のロングスローを跳ね返すとこれを中盤の位置でアーメド・ムサが拾い、サイドのヴィクター・モーゼスへパス。トップスピードに乗ったままサイドを駆け上がった背番号11は中央へクロスを供給した。これを受けたムサが見事なコントロールで浮いたボールを落ち着かせ、右足を振り抜き先制点を奪った。
カウンターが炸裂したナイジェリアはここから怒涛のシュートラッシュをみせる。陣形を整えるのが速いアイスランドDF陣に対しスーパーイーグルスは、テンポの速いパス回しで相手のスライドが整う前にゴール前に侵入することができた。スピードのある選手が数多く揃うナイジェリアのイレブンを相手にアイスランドの守備陣は十分にプレスをかけることができなかったのである。
ナイジェリアペースで試合が進む中、アイスランドも反撃を開始する。だが、1点を守り切ろうと集中するナイジェリアDF陣を相手に効果的な攻めを展開できず。試行錯誤を繰り返しているうちに、またもやカウンターで痛恨の2失点目を喫してしまう。
75分、自陣深い位置でナイジェリアがボールをクリア。これを拾ったムサが一気にギアを上げペナルティエリア内に侵入すると、DF一人とGKまで振り切りゴール右隅に流し込んだ。
まるで野生のチーターが獲物を一瞬で仕留める姿をピッチで表現したかのようだった。ムサのスピードとフィジカルの強さ、そしてアフリカ人特有の身体能力を存分に生かした“アフリカン”なカウンター。これぞ、ナイジェリアが目指していた形だろう。
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