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代表 6年前

ネイマールが見せた男泣き。ブラジルとアルゼンチンの差とは? 試合を動かした切り札【ロシアW杯】

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

戦況を変えた切り札とスコアが動かなかった理由

 スイス戦に続いて相手の守備網を崩しきれない展開に不安が広がる前半となったが、ブラジルのチッチ監督は後半スタートから右ウイングのウィリアンに代えてドグラス・コスタを投入。この交代策が試合を大きく動かすこととなる。

 ウィリアンは、フル出場したスイス戦に続いて今回のコスタリカ戦でもネイマールの逆サイドとなる右ウイングとして先発した。ウィリアンは突破力に加えて、豊富な運動量で守備面でも貢献できることから、攻撃に全てを注ぐネイマールとのバランスを取れる存在として起用されていると見られる。

 しかし、スイス戦の90分間でドリブル突破の回数は2回、このコスタリカ戦の45分間でも2回となっており、本来武器であるはずの突破力が鳴りを潜めていた。

 チッチ監督にとってみれば、ネイマールにマークが集中しても逆サイドのウィリアンが突破することで相手の守備網を崩すという青写真を描いていたはず。ところが、そのウィリアンが低調なパフォーマンスを続けていた。

 逆に、後半から投入されたドグラス・コスタは45分間のプレーで5回のドリブル突破を記録。ドグラス・コスタを止めるためにコスタリカの守備が分散された結果、ネイマールは5本のシュートを放ち、3本を枠内に蹴り込んだ。

 後半からは圧倒的にブラジルが攻勢に出た。前半は5回だった決定機は後半には14回を数え、枠内シュート数は1本から9本に増大した。

 それでも90分間でスコアが動かなかった背景には、コスタリカのGKケイラー・ナバスの存在があった。

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