元イングランド女子代表を「ギャフン」と言わせたい
ちなみに、話は逸れるが、ゴリュノフ記者はこの試合で最も素晴らしかったこととして、高円宮妃久子さまの訪露、そして現地観戦を挙げている。
「日本の皇族が公式にロシアを訪れたのは102年前が最後のこと。1916年に条約を結びにきたときやってきた以来のことで、歴史的な瞬間だった」と、感動した様子で語っていた。
話を戻そう。何はともあれ、日本は勝ち点3をモノにしてグループリーグ突破に向けて前進した。
「もともとこのグループは最もオープンな組だったが、日本とセネガルが勝ったことにより、さらにオープンになっている。誰が通過してもおかしくない、最も興味深いグループだ」と、前出のコックス記者が話したとおり、2試合目、3試合目が非常に楽しみになっている。
そして決勝トーナメントの1回戦では、イングランドの属するグループGから抜けた国が日本の属するグループHの国と対戦するため、互いのグループ通過順位によっては両国が対戦する可能性も十分にある。もし叶えば、どちらの国にもなじみの深い筆者にとってはとても嬉しいこと。
しかしコロンビア戦の解説を務めた、元女子サッカーイングランド代表のアレックス・スコットは、次のようなコメントを残している。
「イングランド代表がチュニジア戦の前半30分のようなプレーができれば、(グループHの初戦で勝利した)日本だろうがセネガルだろうが関係ない。勝てるはずよ」
“ギャフン”と言っている人を生まれてこの方見たことはないのだが、スコット氏にはサムライブルーの活躍でギャフンと言ってもらいたい……。大人げなく、そう切に思ってしまった。
(文:松澤浩三【イングランド】)
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