強調されたのは「コロンビアの自滅」
試合前の下馬評では日本が圧倒的に不利とされていたロシアワールドカップのグループリーグ初戦・コロンビア戦。
例えば『ESPN』英国版では、元プロサッカー選手や記者などの識者10人を対象とした結果予想を行い、8人が日本の負けを主張し、残りの2人も「コロンビアが圧倒的に支配しながらの0-0」としていた。
他の各メディアに目を向けても、総じて日本に対してネガティブな内容のものばかりだった。しかし結果的には、日本代表がワールドカップの舞台では初となる欧州大陸での勝利を飾った。前回大会で1-4といいところなく敗れた相手に2-1、しかも南米の国を相手としては初勝利となる大金星を奪って見せたのである。
それでも、英国メディアの目は現実的だ。「コロンビアが早い段階で退場者を出したため」というのが大半を占めていて、実力で負かしたとは考えられていない。ラジオ番組に登場した、戦術的な記事を得意分野とするフリーランサー、マイケル・コックス記者もその1人で、「こうなるとは思わなかったが、序盤のレッドカードに大きく影響された試合だった」と語った。
そして試合内容の焦点はあくまでコロンビアであり、「10人にしては、特にエースのハメス(ロドリゲス)がいないのに、コロンビアは悪くなかったし、前半は特に試合を支配していた。しかし後半に入って、疲れもあったせいで勢いが落ちた。ただコロンビアのセンターバック2人は試合を通して酷かった。特にダビンドソン・サンチェス。彼はアベレージレベルの日本代表のFWに簡単にやられていた」としている。
大衆紙の『サン』も、試合後に日本人サポーターが観客席を掃除する精神を褒めたたえた一方、試合内容については、実力に勝るはずのコロンビアの自滅を強調。開始3分でのカルロス・サンチェスのハンドによる退場について、多くのサッカーファンが軽率だったと考えているとして、一部のツイッターの投稿を紹介している。
「カルロス・サンチェスはクレイジーだ。試合開始から3分で、馬鹿げたことをした。もし失点したとしても、まだ残りは87分もあって逆転可能だったはずだ。#WorldCupRussia2018 #COLJPN」(@AcuteLuther)