優勝候補のスペインとポルトガルはグループリーグを突破できるか【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップ・グループリーグB組第2節が現地時間20日に行われ、ポルトガルはモロッコに、スペインがイランにそれぞれ1-0で勝利した。今節を終え、スペインとポルトガルが勝ち点4で並び、イランが3、未勝利のモロッコが0となっている。
優勝候補の2チームが上位にいる点は順当といえば順当だが、彼らが安心するにはまだ早い。むしろ、どちらかがグループステージで敗退する可能性すらある。
仮に第3節でスペインとポルトガルが同スコアで敗れるとする。そうなるとイランの勝ち点が6となり、首位での決勝トーナメント進出が決まる。そして、2位の座をイベリア半島の2ヶ国で争うわけだが、勝ち点、得失点差、総得点が同じ。初戦に行われた直接対決も3-3のドローだったため、これでは優劣がつかない。
その場合、警告の数で最終順位が決まる。現在、スペインはイエローカード1枚、ポルトガルが同2枚。このままいくと警告の少ないスペインが2位でグループリーグ突破、大活躍中のクリスティアーノ・ロナウド擁する欧州王者は早々に大会を去ることになる。
FIFA公式サイトでワールドカップページの順位表を見ると、B組は1位スペイン、2位ポルトガルとなっている。同じポイントなのだから、FIFAランキングで上回りポット1のポルトガルを首位に表示してもいいものだが、そうなっていないのは警告の少なさでスペインが優位だからだ。ちなみに、同じことがH組にもいえる。日本とセネガルも全く同じ数字なのだが、イエローカード1枚にとどめた日本が上にきている。
スペインとポルトガルが最終節で勝利すれば、下馬評通り彼らが決勝トーナメント進出となる。しかし、イランとモロッコは侮れない存在だ。波乱が起きる可能性は十分にある。
特にイランはまだ突破の道があり、モチベーションは高いだろう。敗れたスペイン戦にしても、守備的に戦いながらアズムンら攻撃のタレントを軸に最後までワンチャンスを狙っていった。モロッコはすでに敗退が決まっているが、1勝して終えたいという思いはあるはず。第2節のポルトガル戦はクリスティアーノ・ロナウドの一発に沈んだが、後半は欧州王者を自陣に釘付けにした。
最終節でスペインはモロッコと、ポルトガルはイランと対戦する。混戦となったグループを抜け出すのはどこか。優勝候補の敗退、そしてイランの下克上も、なくはない。
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