相棒の存在は不可欠
前述した通り、よりゴールに近い位置にポジショニングし、フィニッシュの役割を担うC・ロナウド。そのタスクを完遂するには相棒の存在が不可欠である。
その相棒とは、バレンシアで頭角を現したゴンサロ・グエデスである。本来はサイドを主戦場としている同選手だが、ポルトガル代表においては2トップの一角を担い、C・ロナウドをサポートしている。
グエデスは下がってボールを受けることはもちろん、守備にも非常に献身的だ。試合の中でC・ロナウドとは縦関係になることもあり、中盤の位置で果敢に走り回っている。チームへの貢献度も非常に高く、モロッコ戦の走行距離はチーム3番目となる10.37kmを記録している。
グエデスの献身的な姿勢は、背番号7のゴール数にしっかり反映されている。若きアタッカーが前のスペースを空けることで、よりゴールに近い位置でプレーすることができたC・ロナウドはモロッコ戦で両チーム最多となる6本のシュートを放つことができたのである。言わずと知れた名手が活躍するには、同時にグエデスの活躍も不可欠となるのだ。
ポルトガルのエースは守備にも献身的ではなく、余計な体力を使うことを拒む印象だ。しかし、他のメンバーが組み立てた攻撃を決して無駄にしない。それを確実にゴールに繋げることで、チームに還元している。
背番号7の活躍すればするほど、ポルトガルは上位に食い込むことができるだろう。すでに決勝トーナメント進出に王手をかけている欧州王者。同国の運命を握る、C・ロナウドのワールドカップでの活躍はしばらく続くかもしれない。
(文:小澤祐作)
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