経験値をフル活用せよ。セネガルに勝って決勝トーナメントへ
長友佑都の経験値がセネガルとの対決で鍵を握るかもしれない【写真:Getty Images】
幸いにして、長友は4年越しの宿敵だったコロンビアのフアン・クアドラードを前半途中での交代に追い込んだばかりで、乗りに乗っている。単純なスピードと推進力ではサールの方が上かもしれないが、日本屈指の左のスペシャリストには豊富な国際経験に裏打ちされた駆け引きの力がある。それを駆使し、相手を焦られるような展開に持ち込めれば、彼自身も日本も勝機が見えてくるはずだ。
「これまでいろいろなビッグプレーヤーと対戦してきた間合いの感覚っていうのは、自分の中で整理できている部分があるから、それをうまく使いながらやりたいですね。ビデオで見ていても実際に対戦するのは全く違う。実際にやる方が速いなと感じることも多い。マッチアップして最初の彼のスピードを感覚的に確かめたいなと思います」
長友は頭脳的な入りを見せ、相手を揺さぶっていく考えだ。
過去のワールドカップ経験者が多い今回の日本は心理戦で優位に立てるかもしれない。長友を筆頭に、吉田麻也、長谷部誠、香川真司らが、若い世代を中心に据えるセネガルをメンタル面で追い込むような雰囲気に仕向けていくことが非常に重要になる。
ここまではコロンビア対策にほとんどの時間を割いてきたため、セネガル対策を徹底する余裕はないかもしれない。それでも限られた時間でできるだけの準備をして、ラウンド16進出のかかる大一番に万全の状態で臨みたいところだ。
(取材・文:元川悦子【カザン】)
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