試合終了直後、キム・ミヌは顔を覆って自らのミスを悔やんだ。その目には涙が…【写真:Getty Images】
これぞ悔し涙だった。元サガン鳥栖の10番、韓国代表のキム・ミヌは号泣で韓国国民に謝罪した。
韓国代表は現地時間18日に行われたロシアワールドカップグループリーグのグループF初戦、スウェーデン代表との試合で0-1と完封負けを喫した。勝ち点3を目標にしていた相手だっただけに、まさかの黒星で韓国全体に衝撃が走った。
唯一の失点が流れの中のゴールではなく、PKによって生まれたというのがより悔しい。このPKを与えてしまったのは、元Jリーガーのキム・ミヌ。かつてサガン鳥栖で10番を背負い、日本のファンにも強烈な印象を残した男だ。
いきなりの途中出場だった。同じく元Jリーガーのパク・チュホが前半27分で肉離れを起こしてピッチを去ることになり、キム・ミヌは急遽グラウンドに入った。投入された直後はタッチミスもあった。それでも持ち味の運動量でカバーし、闘志を燃やしていた。
しかし後半アクシデントが起きた。チャン・ヒョンスからのパスがミスとなり、スウェーデンにチャンスを与えてしまう。ここでスライディングタックルで相手を阻止しようとしたが、これがビデオアシスタントレフェリー(VAR)による検討の末、PKと判定された。それをアンドレアス・グランクビストが冷静に決め、そのままスウェーデンの決勝ゴールとなってしまった。
試合後、キム・ミヌは顔を落としていた。ソン・フンミンとキ・ソンヨンが彼のもとに近づき、何かを言うシーンがカメラに抜かれた。ソン・フンミンは「あなたのせいではないということを伝えた。サッカーではよくあることだ」と、キム・ミヌを慰めたという。
ミックスゾーンに姿を出したキム・ミヌはインタビューに応じた。韓国の記者たちが「サッカーでそういうこともあり得る」と慰めるや否や、彼は号泣し始めた。感情が高ぶったようだった。ようやく涙を吞んだ彼は「たくさんの準備をしたつもりだ。だが自分の判断ミスでこんな結果になってしまった。チームメイトにただただ申し訳ない」と謝罪した。目は赤く腫れたままだった。
でも決して彼のミスで負けたわけではない。キャプテンのキ・ソンヨンは「ミヌのせいで負けたとは全く思っていない」とし、「顔を落とさないで、堂々としていてほしい」と励ました。この悔し涙をバネにし、韓国は23日のメキシコ戦での挽回を狙う。
(文:キム・ドンヒョン)
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